Linuxで使える動画編集ソフト(その1)
先週ニコニコ動画に投稿した動画は、思ったより多くの人に楽しんで頂けたようで何よりです。というか、再生数やマイリスト数はもちろんですが、「wwww」だけのコメントであってもそれは「面白かった」の意思表示なわけで、凄く嬉しいもんですね。投稿してみて良かった。
さて、今日は、その動画を作成する際に検討した動画編集ソフトの紹介です。最終的に使用したOpenMovieEditor以外にも幾つも試用しましたので、軽く使ってみた感想なども添えました。
kino
特徴
- ド定番のDV編集ソフト
- Ubuntuの公式リポジトリに入っている
- 動作はかなり安定している
- 元がDV編集のためのソフトなので
- カムコーダを接続して取り込み→編集が一貫して出来る
- 一方、AVIやFLVの素材は直接扱えず、一旦DV形式に変換してインポートすることになる(変換は自動で行なわれるが、ファイルが沢山出来て管理が面倒)
- マルチトラックの編集は非対応(画面切り替え効果は付加可能)
- 複数の動画を並べて切り貼りし、ちょっとしたエフェクトを足す、といった事は簡単に出来る一方で、それ以上のことをするのは難しい
評価
- ホームビデオの編集にはこれで十分
- 子供の学芸会の記録、みたいな用途では、素材は基本的に全て動画のみで、必要な音は全て動画に入っているので、動画の切り貼りだけ出来れば良い
- 簡単なタイトル文字ぐらいならエフェクトで付けられる
- 各シーン間の繋ぎ演出も簡単に付けられる
- 機能が絞られている分、動作は安定しているし、操作もそんなに難しくない
- ちょっと凝ったことをしようとするとアウト。たとえば、
- 動画にフレーム絵や字幕を付ける
- BGMや効果音を足す
- なので、今回制作したような紙芝居がベースの動画には不向き
Avidemux
http://fixounet.free.fr/avidemux/
特徴
- こちらもド定番のAVI編集ソフト
- Ubuntuの公式リポジトリに入っている
- 動作はすごく安定している
- 他のソフトではハングしてしまうような不正形式のデータも正常に読んでくれる
- 対応フォーマットが幅広い
- 直感的なカット編集ができる
- 始点と終点を指定して切り取り
- 動画コンテナの扱いに長けている。たとえば、以下のようなことが出来る
- 動画から音声ストリームを分離
- 再エンコード無しに動画から不要部分をカット
- 動画や音声にフィルタをかけることもできる
- ただし、色変換やインタレース除去、リサイズなど、動画全体に一律にかけるものが殆ど
感想
- 編集機能は、不要部分のカットには使えるがそれ以上ではない。
- 対応フォーマットが圧倒的に多く、不正なフォーマットも安定して読めるので、編集前の動画のしたごしらえの用途には最適
- 高ビットレートで出力した自作動画を配布用に再エンコード、などといったように、単なるエンコーダのフロントエンドとして使うのもアリ
今回の動画制作での用途
- 生の素材(下記)を、適当にカットしつつAVIに変換するといった、したごしらえのために使用
- recordMyDesktopで録画したogg
- ニコニコ動画に上がっている引用元flv
- カメラで撮影したAVI
- 私の持っているオモチャカメラ(EXEMODEのDV572ってやつ)で撮影したAVIだと、キーフレームのインデックスが壊れていて、そのまま他の動画編集ソフトに放り込むと、大抵のソフトは即死してくれますので、その回避のため
Stopmotion
http://developer.skolelinux.no/info/studentgrupper/2005-hig-stopmotion/index.php
特徴
- その名の通り、ストップモーション(ピングーなどに代表される、コマ撮りした写真を連続再生して動画にする技法)のアニメを作成するソフト
感想
- 本来の使い方ではないものの、紙芝居的な動画を作成するのには使えなくはないんじゃないかと思った。
PiTiVi
http://www.pitivi.org/wiki/Main_Page
特徴
- 一言で言えば、kinoのAVI版
- ビデオのマルチトラック編集はできないが、ビデオトラックとオーディオトラックは別になっているので、BGMや効果音を足すことはできる
感想
- WindowsMovieMakerライクな感じ
- これで動作が安定していれば初心者にも勧められる優良なツールなのだが、いかんせん不安定で、しばらく使っていると起動すらしない状態になってしまった
長くなっちゃったので
書き始めると結構長くなっちゃったので、続きはまた後日。
(8/24追記) 続きを書きました。→ その2: kdenlive, OpenMovieEditor, LiVES, その他のライブラリの紹介