IOSYSで売ってた安価なペンタブレットを Ubuntu Linux で使う

Kanvus Office54 v2


先日、秋葉原IOSYS にて、3000円ほどのペンタブレット(商品名は Kanvus Office 54 v2 かな?)を売っていたのをみかけ、使う予定も無いのに衝動買いしてしまいました。

この手のデバイスは大抵、Windows only か、せいぜい MAC に対応している程度で、Linux も正式に対応しているような物は皆無なので、基本は自分でなんとかする必要があります。

今日はこのペンタブを Ubuntu で使うための方法の紹介です。(他のペンタブや、その他、イロモノ USB デバイスを動作させたい人も、検索方法は参考になるかもしれません。)

まずはデバイス情報を調べて検索

このデバイスは USB 接続なので、運が良いと(=誰かがLinux用ドライバを書いてくれていて、Ubuntuにも導入されていると)、単に繋ぐだけで認識することがありますので、まずは繋いでみます。

で、軽くペンを操作してみると、クリックは効いているものの、座標は取れていない模様。 linux の input device に詳しい人なら判るかと思いますが、ちゃんとしたドライバが入っていない入力デバイスを繋いだ時の典型的な症状です。

さて、このデバイス用のドライバを誰かが書いているかどうかを知るため、まずはこのデバイスの情報を表示してみます。

接続中の USB デバイスを列挙して、

$ lsusb
(略)
Bus 004 Device 003: ID 5543:0004 UC-Logic Technology Corp. Genius MousePen 5x4 Tablet
(略)

名前からしてコレですね。

その詳細を表示

$ sudo lsusb -s 0004:0003 -v

Bus 004 Device 003: ID 5543:0004 UC-Logic Technology Corp. Genius MousePen 5x4 Tablet
Device Descriptor:
  bLength                18
  bDescriptorType         1
  bcdUSB               1.10
  bDeviceClass            0 (Defined at Interface level)
  bDeviceSubClass         0 
  bDeviceProtocol         0 
  bMaxPacketSize0         8
  idVendor           0x5543 UC-Logic Technology Corp.
  idProduct          0x0004 Genius MousePen 5x4 Tablet
  bcdDevice            0.00
  iManufacturer           1 UC-LOGIC
  iProduct                2 Tablet WP5540U
  iSerial                 0 
(略)


この場合、 5543 がベンダーID、0004がデバイスIDで、このデバイスが自己申告している自分の名前は "UC-Logic Technology Corp." 製の "Genius MousePen 5x4 Tablet" で、型番は "Tablet WP5540U" であることが判ります。

あとはこのあたりの文字列をキーワードにググれば、、、

https://help.ubuntu.com/community/TabletSetup

こんなページがヒットします。

Wizardpen driver というドライバが対応してくれているようです。

Ubuntu で Wizard Pen ドライバを使う

先程のページから張ってあるリンク先 の指示通りにすれば基本はOKです。

ビルド方法や、調整方法など、色々書いてありますが、単に使いたいだけなら、以下の手順で OK です。(Ubuntu 10.04 と 10。10 で試しました)

1. Launchpad の Wizardpen の ppa をパッケージソースに追加

synaptic を起動し、 設定 → 他のソフトウェア の「追加」ボタンを押して、以下の行をコピペして入力します。(頭に余計なスペースが入らないように注意)

ppa:doctormo/xorg-wizardpen
2. パッケージのインストール

設定ダイアログを閉じ、「再読込」ボタンを押してやると、パッケージリストに xserver-xorg-input-wizardpen が追加されますので、それを右クリック → インストール設定 した後、「適用」ボタンを押せばインストールできます。

3. X の再起動

追加したドライバは X の再起動時に有効になりますので、一旦再起動します。(ログアウト & ログインをやりなおすだけでも OK です)

4. アプリの設定

この時点で、ペンタブはマウスと同じように動かせるようにはなっています。

ただ、お絵描きアプリなどで、筆圧検知を有効にするにはアプリごとの設定が必要です。

gimp なら メニューの 編集 → 環境設定 → 入力デバイスInkscape なら メニューの ファイル → 入力デバイス、といった所にある設定画面を出して、タブレットのデバイスを「スクリーン(or 画面)」に設定変更してください。

これで、そのアプリは筆圧も正しく扱えるようになります。

検知した筆圧を線の太さに反映するか、漉さに反映するか、などは、完全にアプリ次第なので、いろいろ弄ってみてください。