890GXマザーでPCを新調した(雑感とLinuxで使うためのメモ)

over802010-03-23

先日宣言した通り、狙っていたマザーが発売されたため、先週末の土曜日に早速買ってきてPCをリプレイスしてみました。

今日のエントリは、そのPCの紹介とBIOS設定、消費電力や雑感などを書きます。

構成

買ってきたものは以下のとおりです。

クレバリー1号館

msi 890GXM-G65 \16,280
AMD Phenom II X4 910e \16,970
PATRIOT DDR3-1333 2GB x 2 \11,270
CPU マザボ同時購入割引 -\2,000

ドスパラ秋葉原本店

Antec SOLO \9,800

合計

\52,320

電源は3年ほど前に1万ぐらいでかった 500W の静音電源(TOPOWER TOP-500P5 EZ)を、ストレージはあまってたHDDを流用したものの。かなり安く仕上がってしまいましたね。

せっかく SATA 6Gbps 対応マザーなのに、2世代前の 1.5Gbps SATA HDD(余っていた)とパラレル ATA-HDD(旧PCのHDD。データ移行のため一時的に)を繋いでしまっているので、頃合いを見て SATA 3.0 が生きる SSD を買って置き換えたいところです。

BIOS の設定変更

起動するとマザボのロゴ(パッケージの表面のデザインと同じもの)が画面いっぱいに表示されます。(メーカー製PCじゃないんだから……)

この画面のときにDELキーを連打すると、見慣れたBIOS画面になります。

私が設定をデフォルトからいじったのは以下の通りです。

  • Advanced BIOS Features
    • Fullscreen Logo Display [ Disable ]
      • 起動時に全画面ロゴ(Enable)の代わりに意味のある情報を表示(Disable)
  • H/W Monitor
    • CPU Smart Fan Target [ 50℃ ]
      • CPUの温度がこれ以下の時はCPUファンを遅くする
    • CPU Min Fan Speed [ 62.5 ]
      • 上記を設定した場合の、CPUの最低回転スピード。この値の場合、低温時、MAXの 5/8 まで回転スピードが落ちる。
  • Green Power
    • CPU Phase Control [ Auto ]
      • このマザボの売りの一つ、APS (Active Phase Switching) を有効にさせるための設定。
  • Cell Menu
    • C1E Support [ Enable ]
      • CPU の C1E ステート対応を有効にする
    • Advanced DRAM Settings
      • Power Down Enale [ Enable ]
        • アクセスがないときにDRAMの電圧を下げる
    • Spread Spectrum [ Disable ]
      • EMI (漏れ電磁波障害)対策の機能を有効にする( Enable )。マザボのマニュアルでは基本 Disable にしろと言っているのに、デフォルトが Enable ……。

主な内容は、省電力系の機能を片っ端からONにして、CPUファンの回転速度を(低温時は)遅くなるように設定した、って感じですね。

Linux のインストール

このPCはクライアントPCなので、Ubuntu 9.10 の AMD64 版(AMDと付いていますがIntelのCoreシリーズでもこれでOKです*1 )をインストールしました。メモリが3GBを越えているので、32bit版だともったいないことになります。

普通にインストールしても特に問題になることはありません。ただし、オンボードのグラフィックス用のドライバには注意が必要です。

オープンソース版の2Dドライバは問題ないのですが、AMDプロプライエタリなバイナリドライバを有効にすると、右下に「AMD Unsupported Hardware」というウォーターマークが表示されてしまいます。動作に支障は無いのですがこの表示は非常に邪魔です。

これは、多分、本当に現在の Debian/Ubuntu にパッケージされているAMDプロプラエタリドライバが 890GX 内臓の ATI Radeon HD 4290 を未知のチップと認知しているのでしょう。

新しいドライバがリリースされれば解決されるでしょうし、もしかしたら、こちら に書いてある手順にしたがって手動でインストールすればうまくいくのかもしれませんが、面倒なので、当面オープンソース版ドライバのみでいくことにします。 Ubuntu 10.04 が出るころには改善されるかな。


2010-11-23 追記: Ubuntu 10.04 では更新されませんでした。 Ubuntu 10.10 では、初版から対応済みの AMD ドライバが使用可能です。



プロプライエタリなドライバの有効無効は、「システム」→「システム管理」→「ハードウェア・ドライバ」で手軽に切り替えられます。

ドライバ のバージョンが、私の試した 2:8.660-0ubuntu4 から進んでいれば試す価値はあるでしょう。

消費電力

消費電力は PC本体の電源をワットチェッカーで計測しました。

Linux をインストールし、ログインしてデスクトップ画面が出たところで放置したアイドル時の消費電力は 64 Watt でした。

そこから、ターミナルを開き、以下のコマンドを実行し、

md5sum /dev/urandom

CPUを1つ食いつぶさせると 80 Watt、これを2個3個と増やしていくと順に、 91, 102, 111 Watt でした。

だいたい1コアを使うごとに 10ワット増といったところですね。その比率からすると、全アイドル時が5ワットほど余計に低いわけですが、まあ、そんなもんでしょう。

私の普段の作業スタイルとして、ブラウザを立ち上げ10頁ほどタブを開き、Gwibber(Twitter などのマルチクライアント)を開き、ネットラジオを再生し、この原稿を書いてみていますが、だいたい66〜69ワットでした。これだけ低ければ大満足です。

雑感

今回組んだのはかなり静音省電力寄りな構成だったわけですが、前に使っていたPCが5年以上前の酷いスペックだったので、快適さは天地です。普通に使っている分にCPUネックになるような事はありませんね。とはいえ、私の普段の使い方でCPUネックになりがちなのは、せいぜいリアルタイム処理が必要なニコニコ動画ぐらいなんですが。

今後の成長計画としては、まずはストレージをSSDに変えてやるのが先決でしょうか。グラフィックスやCPUのパワーが足りなくなっても拡張や交換は容易だと思いますが、このままでもあと3年は戦えそうです。

*1:旧来の32bitアーキテクチャである IA-32 を 64bit 化する際に、Intelは当初 IA-64 という互換性の無いアーキテクチャを普及させようとしたのですが、AMDAMD64というIA-32と互換性を保ったアーキテクチャを作った結果、そちらが流行ってしまい、Intelは方向転換して AMD64 互換の Intel 64 アーキテクチャを制定して Core 2 などの一般向けCPUに搭載した、という経緯があります。普通は AMD64Intel 64 を総称して x64 とか、 x86_64 とか呼ぶんですが、この64bitアーキテクチャを指してAMD64と呼んでも全然問題無いんですね。