AMD 890GX チップセット搭載マザーボードの個人的まとめ

最近発表になった AMD の新チップセット 8xx シリーズ。 その中でも、890GX は一部商品が既に店頭に並んでいるようです。

私は丁度PCの買い替えを見当していて「たまにはAMDのCPUで組んでみるか」と思っていたところだったので、渡りに船とばかりにウォッチしているのですが、いまいち情報がまとまっていないので、ここに個人的メモとしてまとめておきます。

記載しているのは、3/7現在で発表になっている以下の6種です。

以下の各解説には、他との違いを焦点に「個人的に気に入ったところ」を書いていますので、公平性も網羅性も低いです。そもそも素人意見ですのでご注意を。(ツッコミは歓迎です)

記述に間違いがあるかもしれませんので、各メーカーのサイトも同時にご確認ください。モデル名のリンクはメーカーの製品情報ページです。(日本のサイトに情報がある場合はそれを、無ければ英語版サイトのページへのリンクになっています。)

基本、共通機能

多くの製品に共通している仕様は以下のとおりです。例外は各製品の解説に記載しています。

  • AMD 890GX + SB850 チップセット
    • AMDの新チップセット 8xx シリーズのグラフィック内蔵の上位モデル
    • Radeon HD 4290 内蔵
      • DVI/HDMI + D-Sub (一部、DisplayPort も)
      • DDR3-1333 128MB(1Gbit)の SidePort Memory付き
    • メインメモリは DDR3-1333/1066 DualChannel (大抵オーバークロックで1600まで対応)
    • 7.1ch HDオーディオ。 6端子 + 光角型端子
    • SATA 3.0 (6Gbps) に対応(内蔵5〜6口、RAID5対応)
    • (USB 3.0 はチップセット内蔵ではない)
  • NEC製 USB 3.0 チップを搭載
    • 背面に2口の USB 3.0ポートを持つ
  • フォームファクタATX (例外アリ)
    • グラフィックス用に PCI-e x16 を 2口(x16 1枚 もしくは x8 2枚の構成で動作)
    • 汎用 PCI-ePCI を 1〜2個ずつ
    • パラレルATA(IDE), eSATA, PS/2 ポートを1口ずつ程度持つ物が多い

ASUS M4A89GTD PRO/USB3

  • 汎用PCI-e x4スロットを1個持っているのが珍しい。他、x1スロット×1、PCIスロット×2と拡張性は高い。
  • 内蔵GPUクロックアップ機能アリ
  • 内部4コアな2コア、3コア製品のコアロック解除機能アリ
  • 適切なクロックアップ値を計測して指南してくれる機能アリ
  • メモリ設定を安全値で強制的に動かす機能アリ

BIOSで設定できる項目も多いので、ギリギリのチューニングで「同じCPUでも、少しでも高速に動かしたい」といった人には良いモデルではないかと。

GIGABYTE GA-890GPA-UD3H

  • USBに供給する電力を3倍に強化(USB-HDDなど、規格外の電力を食うアイテムも安定動作が見込める)
  • DDR3 を 1866MHz までのオーバークロック設定が可能
  • IEEE 1394対応(バックパネルに1口 + ブラケット経由で2口追加可能)
  • FDDインターフェースも付いている

個人的には好みのメーカーで、マイコン遊びでUSBに怪しいものをつなぐ機会の多い自分には、USBの電力強化はそれなりにおもしろい。

MSI 890GXM-G65

小型の MicroATX フォームファクタで、無難な仕様にまとまっている。Linuxメインの私にとっては省電力機能がOS非依存とうたってくれるのはうれしい。上記2つと比べ、価格が 2000円程度安いのも魅力。

BIOSTAR TA890GXE

小型の MicroATX フォームファクタだが MSI 890GXM-G65 と比べると機能選択にクセがあり、PCI-eを少なめにしてPCIを2口確保したり、IEEE 1394を載せていたりする一方、USB3.0は非搭載。従来資産が多い人の買い替え需要狙いだろうか。おそらく市場価格も安めになると思われる。

ECS IC890GXM-A

驚くほど特記事項が少ない、890GXのリファレンスボードのような製品。拡張スロット数などは多いので、市場価格次第では ASUSGIGABYTE の製品の代替品として売れるかもしれない。

ECS A890GXM-A(U)

レガシーな PS/2 ポートを排除し、代わりにバックパネルに DisplayPort と 2口のLANを持つ。また、PCI も1口に減らして PCI-e を合計5口も搭載するなど、とんがった仕様。個人的には、高負荷がかかるサーバー用途向けだと思うのだがどうだろう。

総括

前者3つは日本国内での情報公開も早く、USB 3.0にも対応しているので、日本市場向けの製品でしょう。ASUS M4A89GTD PRO/USB3GIGABYTE GA-890GPA-UD3H は価格帯も同じで、メーカーの好みで選んでしまってもいいかもしれません。MSI 890GXM-G65 は、それらの製品の MicroATX 版という立ち位置でしょう。

一方で、後者3つはいずれもUSB3.0に対応しておらず、あまり日本市場を意識した製品では無いようですが、クセのある構成の商品なので、人によってはうまくハマるかもしれませんね。


さて、私はどうするか、ですが、来週末3/16(火)発売(素で勘違いしてたorz)の MSI 890GX 発売までに他の選択肢が現れなければ、これを買ってしまおうかと思っています。オーバークロックはするつもりが無いので、その方面の機能は不要ですし、拡張性もそんなに求めません。正直、グラボ2枚刺しなんて絶対しないと思うので、890GX ではなく 880G の詳細を待っても良いぐらいなのですが、今の「買いたい熱」がそれを許さなさそうなのと、待ってもマザボの値段が数千円違うだけで、機能的な「損した感」がなさそうなので、多分買ってしまうでしょう。