技術ネタのブログを読む/書く時に気を付ける5箇条

5箇条


昔であれば、Linuxの設定など、技術的な事でわからない事があった時には、英語のドキュメントとにらめっこするか、詳しい知人に聞くしか手はなかったのですが、最近では、ブログなど簡単な情報発信手段の発達で、Web上に日本語の情報も溜まってきたおかげで、googleなどの優秀な検索エンジンを使えば、大抵簡単に解決できるようになっています。

ところが、情報発信の敷居が下がったせいか、いいかげんな情報が溢れ、しかもそれがコピペして増殖するという悪循環に陥っている物もあります。

@ITに、Sambaの設定にはびこる誤情報の話が出ていますが、これはSambaのように未だに発展を続けるソフトに限りません。私は先日、化石技術の一つ、procmailの設定でそのような例をみかけました。(これはそのうち別エントリで書くつもりです。(追記:書きました。))

今日は、そのような誤情報に惑わされない/誤情報を発信しないためのポイントを(自戒もかねて)まとめてみます。

1. バージョンに気を配るべし

Web検索で見付けてきたブログを確認する際には、まず、対象ソフトや環境のバージョン情報が記載されているか確認しましょう。明示されていて、自分の使いたい物と一致している場合は十分参考になるでしょうが、未記載だったり、自分のバージョンよりも古いものだったりした場合は、多少疑ってかかるべきです。少なくとも、貼られている設定ファイルをコピペするのはやめたほうが良さそうです。

ブログを書く時には、出来るだけ試した環境を正確に書くことが大切です。「Samba」ではなく「Samba 3.0.28a」、「Fedora」ではなく「Fedora 7」など、数字を明記するよう気を付けましょう。

2. 日付に気を配るべし

古い情報は基本的に信用度が低いと思ってください。古いサイトはgoogleなど多くの検索エンジンでは、検索結果の上位に出ることが多いですが、特に技術系の話は賞味期限が短いので、役に立たないかもしれません。

例えば、CSSを調べようとしてCSSぐぐると、Wikipediaに続いて「とほほのスタイルシート入門」のページが出てきますが、これは最終更新日が2002年です。このページで「IE5では対応している」と書かれているスタイルをうっかり使ってしまうとIE7では表示できないサイトになってしまう可能性があります。また、海外ソフトの「日本ユーザー会」の中には、サイトの更新が滞り、ほとんど放棄されているものもあります。

書く方の立場としての教訓は、「最終更新日を明記しよう」ということです。ブログで書いていれば日付は付きますし、wikiでも更新履歴が自動で付きますので、それをわざわざ隠しているのでなければ問題ありません。スタティックなページで技術ネタのページを書く際には、ついつい怠けてしまいがちなので注意しましょう。先程、とほほさんのサイトを挙げましたが、このサイトの中の文章には、すべてきちんと最終更新日がついていますので、この意味での良例として挙げさせて頂きました。

3. トラックバックやコメントを確認すべし

記事にコメントやトラックバックが付いている場合は、一通り目を通したほうが良いでしょう。

というのも、詳しい人にとっては比較的明らかに間違いとわかる記述のあるブログには、コメントやトラックバックで突っ込みが入っていることがあるからです。

また、ブログを書いている当人が、後日誤りに気付き、訂正記事を書いていることがありますが、その際に、修正記事から問題の記事へのトラックバックを貼るだけで済ませている場合があります。このような場合は、できるだけ、元記事に訂正線を入れるなどして間違いを広めないよう、気を配って欲しいものです。

4. 理由を確認すべし

「○○するには、××します。」とだけ書いてあるのはNGです。なぜそうなるのか、理屈がある程度説明されていないのであれば、実はそのブログの主も理解しておらず、適当なブログからコピペされているだけの可能性があります。コピペならコピペでも良いので、ちゃんと解説されている元ネタへのリンクぐらいは貼っておくべきでしょう。

5. 裏付けを取るべし

理屈が説明されていたらそれで満足か、というとそうではありません。ブログの筆者が勘違いしている可能性だって十分にあります。

ブログでソフトの設定方法などを知った場合には、出来るだけソフトのマニュアルなど、公式の資料から該当機能の記述を捜して、それが本当に自分の目的とあっているかを確認する癖を付けましょう。もしかしたらその設定にはとんでもない副作用があるかもしれませんよ。

私が記事を書く場合には、「これは○○(仕様書、Manpageなど)に書いてある」などと書いて、できるだけ読者がウラをとれるようにしています。自分がその情報を何処で手に入れたのかは、隠さずに教えてあげましょう。情報を捜している人の中には、無精でblog検索で済まそうとしている人ばかりではなく、単に公式ドキュメントの場所を知らないだけという人もいます。そんな人に正しい道を教えるのもエンジニアの勤めですヨ。